◆ 「能登半島地震」からの教訓 ◆
次に、直近に起こった大地震「能登半島地震」について理解を深めようと思います。
能登半島地震は、2024年1月1日16時10分に石川県の能登半島(珠洲(すず)市内)で発生した内陸地殻内地震です。地震の規模はM7.6、輪島市と羽咋(はくい)郡志賀町で最大震度7を観測しました。
能登では、6000年間に大きな地震が4回あったと言われています。そして能登の地震はほとんどの場合、半島の北側が隆起して起こっています。これは北側から進入してくるプレートに対して、地盤が跳ね上がるからです。そして、2024年1月にもマグニチュード7.6の巨大地震が起きました

今回の地震では、震源と隆起する場所が少し離れていました(図7 ) 。震源(珠洲市)近くの海岸沿が約2m隆起して、少し離れた輪島市の鹿磯(かいそ)漁港付近が4m降起しました。
テレビの報道などで画像を見た方もいると思いますが、人よりも倍以上の高さに隆起した岩盤があらわになり、地震の状態がよくわかるものでした。
地震は、日本全体のどこでも起こる可能性があります。政府等が地盤の調査を進めていますが、日本列島の全域を調べているわけではないため、能登半島のように調査が不十分な地域もあります。
また、過去にどれくらいの隆起があったか、地震の大きさがどれくらいだったかはひずみ計などで測定できますが、地殻の破壊がいつ起こるかを予測することは現在のところ、その手段がありません。
したがって、もし能登半島の調査が進んでいたとしても、地震の規模は推測できますが、その時期については数千年の間で1~2回の頻度で起こるということがわかるだけです。
今回の地震で地盤の構造が変わり、頑丈になっていれば次の地震が起こるまでの時間は長くなりますし、もし柔らかくなっていたら地震が頻繁に起こるということになります。これも確定的ではありません。
実際に、地震の被害に遭った能登の人たちは、大切な家族や住む家を失い、いまでも不自由な生活を強いられています。それは、地震への備えが確立されていないからです。地震を予知することと、そこに住む人たちがどのくらいの被害を受けるのかということは別問題なのです。
ここまで見た地震に関する基礎的な知識は、本来、政府や報道機関が国民に対して情報を開示すべきことです。それによって、国民ひとりひとりが自分なりの対策をとることができるようになるのです。
「多様性」のまやかし グローバリズムの危険性と持続性喪失の原理 武田邦彦 啓文社書房 令和6年刊より
R080715

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